■数千年から数十万年の時間を要した進化

 冬に白色のふさふさした毛が全身を覆い、寒さが和らぐにつれて徐々に抜け落ちる毛変わりの能力を進化させたのは、積雪地域に生息するキタイイズナの亜種だけだ。

 だが、これは数千年から数十万年の時間を要した進化プロセスであるため、数十年で覆すことは不可能だと、研究チームは指摘している。

 これはキタイイズナにとって悪い知らせかもしれない。

「毛変わりの時期の移動によって気候変動に対応することが不可能ならば、キタイイズナは局所的に消滅するか、生息域を移動することになる」と、研究チームは論文に記している。

 体毛が一年を通して茶色の近縁種ヨーロッパイイズナ(学名:Mustela nivalis vulgaris)がその後の生態学的地位を埋める可能性が高いと考えられる。

 早春期には雪のように白い亜種の方が猛禽類やキツネに狙われやすくなるという直感を検証するために、研究チームはさまざまな環境にイイズナの模型を置いて実験を行った。

 研究チームによると、結果は明白だった。「擬態は、捕食動物による発見に影響を及ぼす最も重要な要因だった」という。

 多くの野生動物が、気候変動による環境変化への適応で困難に直面している。

 フィンランド北部では雪の代わりに氷晶雨が降ることが増え、トナカイが餌とする地衣類やコケが降り積もった氷の層の下に閉じ込められるため、トナカイの採餌がますます困難になっている。(c)AFP/Marlowe HOOD