【5月28日 AFP】完備されているWiFi、調理された食事、おしゃれなコーヒー──世界の屋根エベレスト(Everest)のベースキャンプが物資に乏しかった日々は過去のものとなり、今やはやりのサービスと文明の利器でかつてないほど快適に過ごせるようになっている。

 エベレストの麓に広がるクーンブ氷河(Khumbu Glacier)は毎年、春になると世界最高峰を目指す数百人の登山客がやって来て、驚くほどぜいたくな高地都市に変貌する。缶詰の食事や巨大な衛星電話は過去のものだ。

 現代の登山者は、新鮮なサラダやインスタグラム(Instagram)を楽しんでいる。エドモンド・ヒラリー(Edmund Hillary)とテンジン・ノルゲイ(Tenzing Norgay)が65年前、高度8848メートルの山頂に初めて到達した時代からは考えられないほど快適だ。

「人々はベースキャンプに着くと、まず初めにWiFiはどこかと聞き、次に熱いシャワーはどこかと質問する」と、有名な登山ツアー会社ヒマラヤン・エクスペリエンス(Himalayan Experience)のオーナーでベテラン登山家のラッセル・ブライス(Russell Brice)氏は言う。

 史上初めてエベレストを目指した登山隊は、ネパール側のベースキャンプにたどり着くまで1か月かかった。今ではエベレストの玄関口となる小さな空港がルクラ(Lukla)に建設され、ベースキャンプへの行程は8日にまで短縮されている。