【5月22日 AFP】米西部ワシントン(Washington)州で19日、サイクリングをしていた男性2人がピューマに襲われ、1人が死亡、1人が重傷を負う事件があった。二人を襲ったピューマは射殺された。ワシントン州で人間がピューマに襲われて死亡したのは約100年ぶりで、野生当局は21日、ピューマが2人を襲った原因の調査を行った。

 野生動物当局によると、二人を襲ったピューマは3歳の雄で著しく痩せ細っていた。通常、ピューマの体重は65キロ以上だが、このピューマは45キロしかなかった。疾患の有無を調べるためこのピューマの脳が検査に付される予定だという。

 ピューマに襲われながらも一命をとりとめたアイサック・セダーバウム(Isaac Sederbaum)さん(31)が当局に語ったところによると、セダーバウムさんと友人のS・J・ブルックス(S.J. Brooks)さん(32)がカスケード山脈(Cascade Mountain)の山麓でサイクリングをしていたところ、ピューマに後をつけられていることに気付いた。

 二人は自転車を投げつけるなど、あらゆる手段でピューマを追い払おうとしたため、ピューマはいったん逃げ去ったが、再び戻ってきてセデルバウムさんの頭部めがけて襲い掛かった。

 二人を襲ったピューマを検査した野生動物当局のアラン・マイヤーズ(Alan Myers)氏が地元紙シアトル・タイムズ(Seattle Times)に語ったところによると、ピューマはセダーバウムさんの頭にかみついて激しく振り回したが、ブルックスさんが逃げだすと、セダーバウムさんを放してブルックスさんを追いかけたという。後に警察が、ブルックスさんの遺体の上に横たわるピューマを発見した。 (c)AFP