【5月21日 AFP】南太平洋の島国バヌアツの政府は21日までに、火山活動が続く同国北部アンバエ(Ambae)島の全住民に対し、別の島へ恒久的に避難させる方針を固めた。避難は来週から実施される。

 人口1万1000人のアンバエ島住民に対しては昨年9月、マナロ(Manaro)山が噴火した際に避難命令が出されており、住民の大半は最近自宅に戻ったばかりだった。

 今回の「恒久避難」は強制ではないものの、既に避難している人には恒久的に島を離れ、別の場所への移住を奨励している。

 政府は閣議で、近隣のマエオ(Maewo)島に4か所の定住地区を設けることを承認。土地は政府が所有者から借り上げる。政府が実施する避難は来月1日から開始し、7月30日までは費用を負担するという。

 人口約28万人が65の島に居住しているバヌアツは、世界で最も災害に見舞われやすい国の一つとみなされている。いわゆる環太平洋火山地帯(Pacific Rim of Fire)に位置するため、強い地震や火山噴火による被災の可能性が高く、猛烈なサイクロンも頻繁に島々を襲っている。(c)AFP