【5月19日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)前会長のミシェル・プラティニ(Michel Platini)氏は、自身が大会組織委員会の会長を務めていた1998年のW杯フランス大会(1998 World Cup)において、ブラジルとフランスが決勝まで当たらないように組み合わせ抽選で「ちょっとした細工」を行っていたことを暴露し、大きな波紋を広げている。

 フランス代表の元名選手であるプラティニ氏は、20日に放送予定のラジオ番組フランス・ブリュ・スポルト(France Bleu Sport)で、「われわれ(フランス)とブラジルがそれぞれのグループを首位通過すれば、両チームは決勝まで対戦しないよう、スケジュールに細工した」とコメント。同番組は18日、ツイッター(Twitter)に同氏の発言をハイライトで投稿した。

 プラティニ氏は現在、国際サッカー連盟(FIFA)会長だったジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)氏から200万スイスフラン(約2億2170万円、当時)の「不正報酬」を受け取ったとして資格停止処分を受けており、今回の暴露は自身の名誉が失墜している中で行われた。問題の抽選会は1997年12月4日に仏マルセイユ(Marseille)で行われ、当時のFIFA事務総長だったブラッター氏が司会を務めた。

 現役時代にはフランス・リーグ1のサンテティエンヌ(AS Saint-Etienne)をはじめ、イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)などでMFとして活躍したプラティニ氏は、「母国開催であることを存分に活用したんだ。ちょっとした細工でもしていなければ、W杯を組織するという厄介な6年間をやり過ごしてはいられなかっただろう」とすると、フランス対ブラジルの決勝は「全員の夢だった」と述べた。

 1998年大会でブラジルはグループA、フランスはグループCに入っており、それぞれの組でトップ通過を果たせば決勝まで対戦しないことが確定していた。(c)AFP/Philippe GRELARD