【5月19日 AFP】(更新)キューバで18日、乗客104人乗員6人の計110人を乗せた国営航空機が首都ハバナの空港を離陸した直後に墜落した。機体はほぼ完全に破壊され、残骸から煙がくすぶり続けている。同国のミゲル・ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)国家評議会議長は、多数の死傷者が出たもようだと述べた。

 墜落したのはキューバ航空(Cubana de Aviacion)が運航するボーイング737(Boeing737)型旅客機で、墜落現場はホセ・マルティ(Jose Marti)空港近くの林に隣接する土地。AFP記者によると、現場には悪臭を放つ濃い煙が立ち上った。

 国営メディアは、大破した機体から女性3人が救出され病院に運ばれたものの、深刻な容体だと伝えている。

 事故機をキューバ航空にリースしていたメキシコ企業グローバルエア(Global Air)によると、搭乗していた乗員は機長と副操縦士、客室乗務員3人、メインテナンス技術者1人の計6人で、6人ともメキシコ人だという。

 メキシコの通信・運輸省は、事故機は1979年に製造されたもので、グローバルエアはリースするために必要な許可を得ており、機体は昨年11月の検査にも合格していたと発表した。

 機体は墜落とその後の火災でほぼ完全に破壊されており、他の生存者の発見はほとんど望めない状況。現場を訪れたディアスカネル議長はAFPに対し、「多数の犠牲者が出ているようだ」と述べ、事故原因の調査が進められていると明らかにした。キューバ政府は2日間の服喪を宣言した。

 アルゼンチン外務省によると、犠牲者のうち2人はアルゼンチン人だった。キューバの国営メディアは、それ以外の犠牲者のほとんどはキューバ人だったと伝えている。

 空港筋によると、同機は午後0時8分(日本時間19日午前1時8分)に離陸し、670キロ離れた東部のオルギン(Holguin)市に向かう途中だった。

 空港近くにある勤務先のスーパーマーケットにいたというホセ・ルイス(Jose Luis)さん(49)は、離陸した事故機が機体を横に傾けて地面に落ちるのを見たと語った。「離陸したのを見ました。すると突然旋回して落ちたんです。皆が驚きました」 (c)AFP/Alexandre GROSBOIS