【5月18日 AFP】スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州のバルセロナ(Barcelona)で17日、州首相に選出された分離独立派のキム・トラ(Quim Torra)氏(55)が就任宣誓を行った。

 トラ氏は前任者で自身の指導者でもあったカルレス・プチデモン(Carles Puigdemont)前同州首相と同じ文言を用いて「私はカタルーニャ議会によって代表されるカタルーニャ人民の意思に忠実に従い、地域の長としての職務を誠実に全うすることを誓う」と宣誓した。スペイン憲法やカタルーニャの自治権を規定する法律の順守については言及しなかった。

 宣誓式が行われた州政府庁舎の小さい部屋にはカタルーニャの旗は置かれたが、通常は置かれることになっているスペインの国旗や国王の肖像はなかった。中央政府は代表者を送らず、式典は数分で終わった。

 カタルーニャ自治州議会は昨年10月27日、同州の独立宣言を賛成多数で可決。これを受けて中央政府は当時のプチデモン州首相を罷免し、同州を直接統治下に置いた。トラ氏の就任により7か月近くに及んだ同州の政治的空白に終止符が打たれた。

 トラ氏は次に州の内閣を発足させる必要がある。これは中央政府による直接統治終了に必要な条件でもある。

 トラ氏は解任された前閣僚らの復帰を求める発言をしているが、その多くは分離独立運動における役割から予防勾留されていたり、プチデモン前首相と同様に外国に逃れたりしているため、新内閣が確実に発足するとは言い切れない情勢だ。中央政府が自治州の新政権を違法と判断すれば、直接統治が続く可能性もある。(c)AFP/Daniel BOSQUE