【5月16日 AFP】ロシア本土と同国が併合したウクライナ南部クリミア(Crimea)半島を結ぶクリミア橋(Crimean Bridge)が15日開通し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がトラックを自ら運転して通行した。これを受けて、ウクライナからは激しい抗議が巻き起こった。

 ロシア国営テレビは、カジュアルな上着にジーンズ姿のプーチン大統領が建設用トラックの運転席に座り、工事作業員らと共に橋上19キロを走行する様子を放映した。

 建設費用は2280億ルーブル(約4040億円)。ロシア南部タマン(Taman)半島のクラスノダール(Krasnodar)とクリミア半島のケルチを結び、黒海(Black Sea)とアゾフ海(Sea of Azov)の間の海峡をまたいで架けられたこの橋の全長は、ポルトガルの首都リスボンにある欧州最長のバスコ・ダ・ガマ(Vasco da Gama)橋を上回る。

 世界の大半の国同様、2014年のロシアによるクリミア併合を認めていないウクライナは、プーチン氏が推進したこの橋の建設を非難している。

 米国も、ウクライナ領土の「不正な占有」をさらに強化する行為だと強く批判。ヘザー・ナウアート(Heather Nauert)国務省報道官は、「ロシアによる同橋の建設は、国際法を公然と破ろうとする同国の姿勢を改めて思い出させるものだ」と指摘した。(c)AFP