■電力豊富な州はほかにも

 これらの要因に加え、昨年12月のピーク時には1ビットコイン=2万ドル(約218万円)をつけた相場の急騰(その後半分以下に下落したが)も相まって、カナダ自体が現代の宝の山となっている。もっとも、仮想通貨ブームはバブル、あるいは「ポンジ・スキーム(Ponzi scheme)」(ねずみ講に似た詐欺)のようなものだと警告する声もある。

 操業開始直後の昨年11月と12月の2か月で、ビットファームズはケベック州内のサンティアサントなど4施設でマイニングした仮想通貨を売って490万ドル(約5億4000万円)を得た。

 同社は既に27.5メガワットの電力を使用して1万9000台のコンピューターを稼動させており、今年末までに電力使用量を100メガワットに増やしたい意向だ。

 ビットファームズのピエールリュック・カンペール(Pierre-Luc Quimper)社長は「もし電力料金が高騰したら別の場所を探すことになる」と語り、豊富な電力はカナダのニューファンドランド・ラブラドル(Newfoundland and Labrador)州やマニトバ(Manitoba)州にもあると指摘した。(c)AFP/Clément SABOURIN