【5月11日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で通算2度の総合優勝を誇るマクラーレン(McLaren)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)は10日、来季はF1に参戦しない可能性を示唆した。

 今週末の第5戦スペインGP(Spanish Grand Prix 2018)が行われるバルセロナのカタロニア・サーキット(Circuit de Barcelona-Catalunya)で過去に2勝を飾っているアロンソは、報道陣に対して現在のF1の方向性に落胆していると話し、2019年の自身の去就については8月の夏季休暇明けまで決断しない意向を示した。

 アロンソは今季、ルマン24時間耐久レース(Le Mans 24 Hour Race)をはじめとしたFIA世界耐久選手権(WEC)とのダブル参戦で疲労を感じていることもにじませながら、スペインGPを控えて臨んだ記者会見では、「現在は同時に二つの世界選手権に臨んでいる。マクラーレンが示した進化と、チームが進んでいる方向性には満足している。だけど、F1カレンダーについてはかなり厳しい」と語った。

「最大の問題は、すべてが予測できてしまうということ。われわれには新聞に載る土曜日(12日)の予選結果も、モナコGP(Monaco Grand Prix)やシルバーストーン・サーキット(Silverstone Race Circuit、英国GP〈British Grand Prix 2018〉)の展望も見えてしまう。だから、それは将来を決断する上で考慮すべき材料となっている。悲しいことに、F1ではすべてがこうした方向に進んでいる」

 アロンソはF1のトップドライバーの中でも最大の評価を誇っているものの、最後にGPで優勝を飾ってからは今週末で5年が経過することになる。その一方で、開幕から未勝利であるとはいえ今季のマクラーレンに期待を抱いており、自身のモチベーションが途切れることはないと強調した。

「自分は負けず嫌いだから、モチベーションは保ち続けている。勝利を熱望しているんだ。2013年はここ(スペインGP)で優勝した。あのレースでは、タイヤがかなり摩耗して予定外のピットストップを行った末に、どうにか勝利を収めることができた。最速マシンでもなかった。ポールポジションのニコ(・ロズベルグ〈Nico Rosberg〉)とは0.6秒差くらいで、チームにとっては良い兆候だった。2014年は全く違うシーズンになり、そこから3年間は苦戦を強いられた」

「今年も同じ姿勢だよ。言った通り結果やポイントに関しては、それほど悪くないスタートだと思っている。先週末にはスパ・フランコルシャン6時間レース(Total 6 Hours of Spa-Francorchamps)で優勝したけれど、それで何か変わるわけではない。この二つはシリーズも世界もまったく違うものだからね。自分にとっても何も変わらない。勝利に近づけるクルマに毎回乗れるのであれば、勝利に向かって突き進むつもりだ。最後に勝ったのは5年前であっても、最近の5年間は手応えのあるレースもあった」 (c)AFP