【5月17日 AFP】スペイン北部バスク(Basque)地方の最大都市ビルバオ(Bilbao)は、中国や北欧との激しい競争にさらされている同国の風力発電産業の中心地で、新しい工場や複数の専門企業が集まっている。

 風力発電分野において主要企業であるスペインの電力大手イベルドローラ(Iberdrola)とガメサ(Gamesa)は、ビルバオとその周辺に本社を置いている。ガメサは2017年、ドイツのシーメンス(Siemens)と風力発電設備部門で事業統合した。

 イベルドローラとガメサは、経済危機に直面したスペイン政府が2012年に再生可能エネルギーへの奨励金を打ち切ったことを受けて国内成長が停滞した、風力発電産業をけん引している。

 スペインは風力発電能力において世界5位だが、2016年に新たな入札が始まったことで同産業の見通しは改善している。

 スペイン風力発電協会(AEE)によると、同国の風力発電産業への投資は2020年までに50億ユーロ(約6500億円)に上るとみられている。

 バスク地方は現在、スペインの風力発電能力の0.6%を占めるに過ぎないが、地上と洋上両方の風力発電所の発電網のほぼすべてをカバーする112社が本社を置いている。

 だが現地企業のハイゼア(Haizea)などは、洋上風力発電用のタービンとそれを固定するのに必要な円筒状の基礎を製造する「洋上風力発電」部門においても競争力を高めたいと考えている。(c)AFP/Alvaro VILLALOBOS