■「彼女のせいではない」

 2016年の欧州選手権(European Championships in Athletics 2016)とリオデジャネイロ五輪に加え、第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)の棒高跳びで女王に輝いているステファニディは、セメンヤのような選手に同情していることを認め、「彼女を気の毒に思う」と語った。

 ステファニディは「彼女のせいではない」とすると、「このスポーツを広めたり、資金やスポンサーを増やしたりするためにもっとエネルギーを費やしてほしいです。特定の大会や、テストステロン値が基準より高い選手のせいで、1位の代わりに2位になってしまった選手を支援するのではなく」と強調した。

「確かに問題はいくつかあるけれど、私には批判できません。彼ら(IAAF)は公平性を追求しているけれど、公平かそうでないかは、どこを基準にするのですか?ソーシャルメディアで言われているように、私は現役選手の中でも身長が低い方です。そういう私たちはどうすれば?身長と棒高跳びに関連性があるのは確かなので、公平にするためには全員の手足を同じ長さに切り落とすのでしょうか?」

「このような規則を導入するならば、全種目を対象にするべきです。ほんの一部の競技だけに適用するのは、とにかくおかしい。このような規則を作るなら、全部を対象にした方が良いでしょう。棒高跳びや走り高跳びにそういう選手がいたら、来年からは私たちにも適用されるのですか?」