【5月4日 AFP】イランは3日、同国が欧米など6か国と結んだ核合意からドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権が手を引いた場合、イランは合意を離脱すると警告した。また英仏独が米国に「譲歩」していると批判した。

 トランプ米大統領はこれまで、5月12日の更新期限をもって合意を破棄すると警告するとともに、欧州の同盟諸国に合意の「ひどい欠陥を修正」するよう求め、修正がなければイランへの制裁を再開すると主張してきた。

 イラン国営テレビの公式ウェブサイトによると、同国最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師の外交政策顧問、アリ・アクバル・ベラヤティ(Ali Akbar Velayati)氏は、「米国が核合意を脱退するのであれば、われわれは合意にとどまらない」と発言した。

 また、イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相は3日、ユーチューブ(YouTube)に英語の動画を投稿し、米国が合意から脱退すれば対抗措置を取ると警告した。

 ザリフ氏は欧州諸国も批判し、「われわれは過去1年ほど、トランプ大統領が合意に不満を持っていると言われてきた。そして今、欧州の一部は米国に対してさらなる譲歩を、それもわれわれの懐から、与えることで応じているようだ」と述べた。

 英仏独は先月29日、核合意には幾つか「重要な要素」が含まれていないと表明しており、ザリフ氏の発言はこれを受けたもの。

 3か国はそうした要素として、2025年に現在の合意が一部失効した際のことや、イランの弾道ミサイル開発、イランによる「地域の不安定化をもたらす活動」を挙げている。(c)AFP/Siavosh Ghaz