【5月3日 AFP】2008年北京五輪の陸上男子1500メートルで金メダルを獲得したアスベル・キプロプ(Asbel Kiprop、ケニア)が、薬物検査で陽性反応を示したと報じられた。本人は自らの潔白を証明したいと話している。

 この件について報じたケニア日刊紙スタンダード(Standard)は具体名は出さず、有名な陸上選手が違反を犯したと伝えた。これを受けてキプロプは、英紙ガーディアン(Guardian)で「一人のアスリートとして、ケニアのドーピングと最前線で闘ってきたし、その闘いが正しいものだと強く信じ、支持している。初めて国際大会に出場した2007年からの努力を台無しにしたくないし、自分がクリーンな選手であると全力で証明したい」と答えた。

 キプロプの代理人は、うわさは聞いているが詳しい情報は手に入っていないとコメントしている。陽性となった検体は、2017年の後半に行われた抜き打ち検査のものとみられており、持久力を向上させる禁止薬物のエリスロポエチン(EPO)が検出された。

 中長距離に有力選手をずらりとそろえているケニアだが、その中でもとりわけ大物であるキプロプが薬物違反ということになれば、同国の陸上界にとっては大きな痛手となる。北京五輪でキプロプは2位でレースを終えたが、トップのラシド・ラムジ(Rashid Ramzi、バーレーン)が薬物違反でメダルを剥奪されたため、繰り上げで金を獲得した。

 ケニアは過去5年で40人以上の薬物違反者を出しており、他国から激しい批判を浴びている。3年前には世界反ドーピング機関(WADA)から規定を「順守していない」という評価を下され、2016年リオデジャネイロ五輪もぎりぎりで参加が認められるような状態だった。(c)AFP