【5月2日 AFPBB News】色鮮やかな花で埋め尽くされた壁面を流れ落ちる、清れつな水の流れ──。今にも水しぶきがかかりそうなデジタル映像の空間は、「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」の一角にある。

 最先端技術を駆使した空間演出やデザインを手がけ、世界各地でアート展を開催している「チームラボ(teamLab)」によるミュージアムが6月21日、東京・台場にオープンする。開館に向けた準備作業が進む同ミュージアムの内部や作品がこのほど、報道関係者に公開された。同ミュージアムは、広さ1万平方メートルを誇り、都市の新たな「文化交流の場」を目指している。

 入り組んだ迷路のような空間に身を投じると、たちどころに草花が競い合うように咲き乱れ、どこからともなくおはやしのような調べが近づいてくる。ヒマワリやアジサイ、クジラなど自然をモチーフにしたデジタル映像は、鮮やかな色彩とともに鮮烈な印象を残す一方、どこか懐かしさも感じられる。

 展示は、コンピューター520台、プロジェクター470台を駆使し、ボルダリングなど体を動かしながら展示を楽しめる「運動の森」空間や、来場者が描いた絵が動き出す「未来の遊園地」など五つの空間から構成されている。

 ミュージアムのコンセプトは、「ボーダーレス」。境界がないという言葉通り、作品と作品の間に区切りがなく、鑑賞する側もいつの間にか展示作品の中に入り込み、作品の一部になっているように見える。

 チームラボを率いる猪子寿之(Toshiyuki Inoko)代表は、「ミュージアムの空間で新しい人と出会い、ともに体験を作っていく場所になってほしい」と話した。 (c)AFPBB News