【5月2日 AFP】米ニューヨークのメトロポリタン・オペラ(Metropolitan Opera、Met)で今週、英国とパリで好評を博した6か月から1歳半の乳幼児向けのオペラ「バンビーノ(BambinO)」の上演が行われている。公演時間は40分、期間は6日間を予定している。

 メトロポリタン・オペラの小ホールにはおめかしした赤ちゃんが集まり、親の膝の上であやされたり、床一面に敷かれた青いクッションの中をハイハイしたりよちよち歩きしたりしている。

 赤ちゃんは好きなだけ音を立ててもいいが、大人は静かにするよう注意がある。

 そして音楽がスタートする。チェロとパーカッションの演奏をバックに、2人の歌手がイタリア語で赤ちゃんのような音を出して歌う。歌手は鳥のぬいぐるみや金色の卵を手に、赤ちゃんの間を歩き回る。

 ほとんどの赤ちゃんは泣きやみ、笑顔を見せ、戸惑い、そしてカラフルな衣装を着た歌手に夢中になる。

 通常のオペラの構成と同じように音楽に続いて話が始まる。ひな鳥が成長し、巣立っていくまでの親鳥との関係の物語だ。

 ディレクターのフェリム・マクダーモット(Phelim McDermott)氏は、「押しつけがましい子ども向けのショーではない。本物の、美しい、非常に挑戦的な音楽だ」と説明した。

「小さな観客に本当のオペラを見てもらうのは魔法のようだと考えた」と作曲家のリアム・パターソン(Lliam Paterson)氏は述べた。パターソン氏は、子どもは誰もが音楽のパターンやリズムに反応すると信じている。(c)AFP/ Jennie MATTHEW