【5月6日 CNS】ジャイアントパンダが中国の国宝であることは、多くの人が同意するところだ。中国国民に深く愛され、海外にも多くのファンがいる。また友好の使節としても多くの国・地域に派遣されている。

 そんな国宝たちが生まれ育った環境は、どのような場所なのだろうか。記者は、四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)にあるジャイアントパンダ繁殖研究基地(Chengdu Research Base of Giant Panda Breeding)を訪れた。

■世界最大のパンダ人工繁殖保護育成施設、始まりは6頭のパンダから

 成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は、1987年設立。成都市の郊外に位置する。野生ジャイアントパンダの保護や、繁殖に関する研究調査、国際協力のほか教育、観光などの役割を担う。

 1970~80年代、ジャイアントパンダの生息地であるキョウライ(Qionglai)山脈と、岷山(Minshan)山脈の竹の葉が突然枯れる事象が相次ぎ、1974年から83年の間に計250頭のパンダが餓死した。

 こうした問題を受けて、成都市の関連機関は93年までの間、パンダの野外救助活動を行って63頭のパンダを救出、元の生息地へ返すことができた。しかし、個体の健康状態や生息地の状況から、最終的に6頭のパンダが同研究基地で人工飼育されることになった。

 この時に人工飼育されることになったオス3頭、メス3頭のパンダが同研究基地の基礎となり、一度も野外から別のジャイアントパンダを捕獲しない状況でも、2017年現在までに計166頭の出産にかかわり、生まれた255頭のうち184頭の人工繁殖・飼育に成功した。