【5月1日 AFP】男子テニスの元世界ランキング1位で、四大大会(グランドスラム)通算2勝を誇るレイトン・ヒューイット(Lleyton Hewitt、オーストラリア)が、シングルスでプレーするのは2016年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)が最後だったとしながらも、ダブルスの引退は決めていないことを明らかにした。

 今年1月の全豪オープンでサム・グロス(Sam Groth、オーストラリア)とダブルスに出場し、ベスト8入りを果たした37歳のヒューイットは、今度は19歳の同胞アレックス・デミノー(Alex De Minaur)とペアを組み、 ポルトガルで今週開幕するクレーコート大会のエストリル・オープン(Millennium Estoril Open 2018)に出場する。初戦では大会第2シードのレイブン・クラーセン(Raven Klaasen、南アフリカ)/マイケル・ビーナス(Michael Venus、ニュージーランド)と対戦することが決まった。

 2000年の第1回マスターズ・カップ(Tennis Masters Cup、現在のATPワールドツアー・ファイナルズ<ATP World Tour Finals>)の開催地でもある首都リスボンでの試合に備えているヒューイットは、「ダブルスを引退するかどうかは分からない」とすると、「いろいろな理由や当時の状況でシングルスからは引退したけれど、サム・グロスと一緒に大会には出場した」と述べた。

「自分の調子の良さに驚いたよ。今度はアレックスと一緒にプレーするチャンスが訪れた。彼にとっては大きな意味がある。彼はスペインが練習拠点でクレーコート育ちだ。自分はまだコートで戦える。具体的なツアーは決まってないけれど、いくつかの大会でプレーすることはたしかだ」

 国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)のオーストラリア代表監督を務めるヒューイットは、2月の同大会で代表デビューを果たした若手のデミノーについて、「アレックスは本当に特別な選手で好青年だ。彼と一緒に仕事して知識を与えることは楽しい」とこれ以上ない賛辞を贈った。

 ヒューイットは約20年前に初出場を果たしたマスターズ・カップでピート・サンプラス(Pete Sampras、米国)氏に番狂わせを演じながらも、マラト・サフィン(Marat Safin、ロシア)氏とアレックス・コレチャ(Alex Corretja、スペイン)氏に敗れてグループ突破を逃すなど、今もいくつか消えない記憶があるとして、「2000年にここへ来たときは慌ただしかった。翌週にはスペインの違うサーフェスでデビスカップ決勝が控えていた。初めてマスターズ・カップを目指したときは、本当に目まぐるしくて大きな目標だった」と振り返った。

「エストリル・オープンについては、数人から良い報告を聞いている。ここに戻ってこられてうれしい」と話すヒューイットは、シングルスでキャリア晩年に差しかかっていた頃よりも手ごたえを感じているとしており、「引退するときは、特にグランドスラムなどの主要大会が懐かしくなる。だけど、毎週大会に出場することは厳しい。この半年間で体調は良くなっている実感がある。前回出場した全豪オープンのときよりも、今の方が好調だと感じている」と語った。(c)AFP