【4月28日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は27日、平昌冬季五輪・パラリンピックに出場した同国代表選手の表敬訪問を受けた。しかし、一部の有名選手は今回の恒例行事を辞退している。

 トランプ大統領は米首都ワシントン(Washington D.C.)のホワイトハウス(White House)の階段に並んだ選手に対して、「君たちのパフォーマンスに対し、われわれは心から誇りに思っている。そして、君たちの多くが金、銀、銅のメダルを手にし、王者として母国に凱旋(がいせん)した」と述べた。

 また、平昌五輪がきっかけとなり、韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長による歴史的な南北首脳会談が実現したとして、「あちらでは、たくさんの良い出来事が起きている。五輪があらゆることの実現に貢献した」と語った。

 大統領は代表チームのジャージーに身を包んだアスリートに加え、首からメダルをかけている一部の選手に対して、「本当に特別な人々」であり「勝者」だと称賛し、「全員が勝者だ。君たちは人生でも勝者となるだろう」とコメント。チームからは選手団のサインが入った旗を贈られた。

 一方、フィギュアスケート男子のアダム・リッポン(Adam Rippon)、アルペンスキー女子のリンゼイ・ボン(Lindsey Vonn)、フリースタイルスキー男子のガス・ケンワーシー(Gus Kenworthy)ら一部の選手は、トランプ大統領に反旗を翻してホワイトハウスへの訪問を見送った。

 ケンワーシーは自身のツイッター(Twitter)で同国オリンピック委員会(USOC)について言及し、「米国の五輪・パラリンピック選手は、全員がホワイトハウスを訪問し、大統領と面会する招待を受ける。きょうは今年の訪問日だったが、USOCの広報担当者によると、これほど大勢の選手が招待を断ったケースは見たことがないそうだ」と投稿した。

 平昌五輪のフィギュアスケート団体で銅メダルを獲得したリッポンもまた、ツイッターにホワイトハウスへの表敬訪問をボイコットすると表明し、「2018年の冬季五輪選手は、きょうホワイトハウスに招かれている。自分は行くつもりはない」とすると、「普通と違っているとして人を差別するような人々を支持する気はない。DCに行く代わりに、自分が支持するいくつかの団体に寄付している」とつづった。(c)AFP