同性愛の若者が抱える苦悩 映画『ラブ、サイモン』ヒットで脚光
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【4月28日 AFP】米ロサンゼルス在住のオーキッドさん(14)は、自分がレズビアンであることを6人にしか明かしていない。これは今でも口にしにくい話題であり、母親に知れたらと思うと身震いしてしまう。
「母からは、あなたはどうしようもない人だと言われた。同性愛者だと言っても、支えてもらえない。私のために何もしてくれない。すぐにでも家から追い出される」。本名の代わりに、好きな花の「ラン」を意味する名前で取材に応じたオーキッドさんはこう語った。
同性愛者の若者ならほぼ誰もが経験するこうした葛藤が、このたびハリウッド(Hollywood)によってようやく取り上げられた。米国で先月公開され絶賛を集めている映画『ラブ、サイモン(Love, Simon)』だ。
同作は、米国のとある郊外を舞台に、ゲイであることを隠し生活するティーンエージャー、サイモンの物語を、ニック・ロビンソン(Nick Robinson)主演で描くロマンティックコメディー。ハッピーエンドで締めくくられると同時に、まだカミングアウトの途上にある若者たちに光を当てる作品だ。
オーキッドさんは、自分が同性愛者であることを確信しており、カミングアウトについては毎日考えるという。それでも、皆に言う準備はまだできていない。「母親からねじ込まれた同性愛嫌悪が、ついて離れない感じなんです」と冗談交じりに語った。
こうした恐れを抱くのはオーキッドさんだけでない。カミングアウトは子どもにとっても、大人にとっても難しい決断だ。多くの人は、周りに何と言われるかを心配し、行動を起こせずにいる。