【5月3日 CNS】中国・四川省(Sichuan)の中国ジャイアントパンダ保護研究センター(China Conservation and Research Center for the Giant Panda)では、今年に入りメスのジャイアントパンダ4頭の野外種のパンダとの繁殖実験が行われている。

 同センターでは昨年、飼育ジャイアントパンダの草草(Cao Cao)が野生種と自然交配し、出産に成功した。

 同センターの中で特にパンダの野生化に関する機能を担う臥龍(Wolong)核桃坪(Hetaoping)野生訓練基地では、パンダの着ぐるみを来たスタッフが園舎を掃除していた。同基地の管理責任者である呉代福(Wu Daifu)氏は「ここは四川大地震で深刻な被害を受け、1頭が死亡したほか、別の1頭は失踪した。また多くのパンダがおびえて、木の上から地上に下りてこなかった」と話す。

 呉氏は、「地震の後、臥龍核桃坪はすべての獣舎の改修作業を実施した。洪水や土砂災害、地震など突発的な自然災害の緊急対策マニュアルも用意した」と話す。

 臥龍核桃坪はジャイアントパンダを野生に帰すトレーニングなど、重要な役割を担う。2010年から同地で野生化訓練を受けたメスのパンダ8頭が野生に帰され、うち7頭が現在も元気に暮らしている。

 呉氏は「今年は飼育パンダの野外繁殖プロジェクトを積極的に推進し、現在4頭のメスパンダをテストしている」と語った。

 現在、ジャイアントパンダ繁殖研究センターの飼育パンダの数は270頭で、世界の飼育パンダの総数の60%近い数字を占める。(c)CNS/JCM/AFPBB News