【4月26日 AFP】欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)の宇宙望遠鏡「ガイア(Gaia)」はこのほど、天の川銀河(Milky Way)にある10億個以上の恒星の「革新的な」立体(3D)地図を制作した。地球からの距離や色、宇宙空間での動きなどもわかるという。

 25日に公開された待望のこの地図は、地球から約150万キロメートル離れた見晴らしのいい宇宙空間でガイアが収集した約17億個の恒星に関するデータをまとめたもの。

 この大規模なデータの発表について、ガイアの科学的運用責任者のウベ・ラマーズ(Uwe Lammers)氏はAFPに対し、「データセットは非常に充実しており、天文学や天の川銀河に対するわれわれの理解に革命をもたらすだろうと考えている」と語った。

 2013年に打ち上げられたガイアは、翌年運用を開始し、毎分10万個の星のデータを収集。これは、1日当たり約5億回の測定が行われている計算になる。最初の地図は、1年分に相当する約11億5000万個の星の観察記録を基にしたもので、2016年9月に公開された。

 今回の地図には、17億個の恒星が描かれており、「空のどこに位置するかや明るさの等級について、非常に高い精度で表せるようになった」と、ガイア・データ処理分析コンソーシアム(Gaia Data Processing and Analysis Consortium)のアンソニー・ブラウン(Anthony Brown)氏は語る。

 このうち13億個の恒星に関しては、「距離も、宇宙空間での動き方も把握している」という。

 これらのデータを使えば、「夜空全体の地図を作ることも可能」とブラウン氏は話しており、その結果は「驚くべきもの」になるだろうと予想。「移動する天の川銀河全体を見ることができる」と続けた。(c)AFP/Mariëtte Le Roux