【4月23日 AFP】中米ニカラグアで年金減額などを含む社会保障制度改革に反発する抗議デモが暴動に発展し、人権団体によると少なくとも24人が死亡した。ダニエル・オルテガ(Daniel Ortega)大統領は22日、改革の撤回に追い込まれた。

 改革は拡大する社会保障制度の赤字に歯止めをかけるため、雇用主と労働者の負担を増やし年金などの給付を減らす内容。実行されれば、全体の年金支給額は5%減ることになっていた。

 これに対し18日から学生らによる抗議デモが相次いで発生。一部が暴徒化し、治安部隊と衝突した。オルテガ大統領は強硬な対応を命じ、デモ隊と治安部隊が衝突した。

 道路に軍が配置されたほか、独立系メディアへの締め付けや、ジャーナリストらへの襲撃も起きた。政府側を支持する対抗デモの参加者も動員された。

 11年に及ぶ在任期間で最悪となった衝突になったことを受け、オルテガ氏は22日、財界首脳らとの会合で改革の撤回を表明した。一方で、デモ隊が犯罪集団のように振る舞っていると非難した。

 ニカラグア人権センター(Nicaraguan Center for Human Rights)は、18日以降の死者が少なくとも24人に上ったと発表。誤った情報が多くあり、正確な数字を得るのが難しかったとしている。

 一部では、略奪行為やパニックによる買い占めなども発生している。映像は21、22日撮影。(c)AFP