■強力なメッセージ

 南米コロンビアのメデジン(Medellin)で先月行われた「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学・政策プラットフォーム(IPBES)」では、生物多様性が地球上のあらゆる地域で失われ続けているとの警告が発せられた。

 仏環境団体「ロバンデボワ(Robin des Bois)」のシャーロッテ・ナイトハルト(Charlotte Nithart)氏は「迷信、伝統的医学、口コミでの広がりにより、動物種への圧力がさらに強まっている」と指摘する。

 最新の報告書で同団体は、アフリカでエイズの治療薬としてのキリンの骨髄や、精力増強のためのチンパンジーの骨の粉末などの違法取引を記録している。また南アフリカでは、絶滅が危ぶまれるハゲワシの一種の脳が予知能力を強め、宝くじの数字を予測できるようになるとして薫製にされたものが取引されているという。

 CITESのスキャンロン氏によると、違法取引で身柄を拘束され、刑務所に送られる人の数はますます増えているという。「それは強力なメッセージだ」と同氏はしているが、重要なのは人々の考え方を変えることで、それはやはり難しいようだ。

 トラフィックのトーマス氏もまた、「文化的に敏感になることが重要だ」と述べる。「それが薬だと信じて育った人に対し、効かないといってもだめだ。部外者から言われた場合は特にそうだ」 (c)AFP/Mariëtte Le Roux