【5月1日 CNS】スペイン人留学生のテリーさんが6日、蘭州ラーメンの技術を教える学校の一つ、中国・甘粛省(Gansu)蘭州市(Lanzhou)にある蘭州牛肉麺大学堂から授与された卒業証書の「牛肉麺学員」と儒教道徳の教えが記された『弟子規』を携えて、故郷・スペインで蘭州ラーメンの店を開く夢を胸に、甘粛省を後にした。

 テリーさんは今年1月、蘭州ラーメンを学びに蘭州市に来た。蘭州牛肉麺大学堂がテリーさんのために行った卒業式で、テリーさんは小麦粉から生地を作り、麺を伸ばし、スープを作り、盛り付けまであっという間に仕上げ、恩師の目の前に卒業作品として一杯の牛肉麺を差し出した。

 史料によると、蘭州ラーメンは清の時代が起源で、「一・清(透き通ったスープ)、二・白(大根)三・紅(ラー油)、四・緑(にんにくの芽、パクチー)、五・黄(麺)」が特徴。「中国十大麺」の一つと言われている。近年、「一帯一路(One Belt One Road)」の建設に伴って蘭州ラーメンの知名度が上がり、テリーさんのような外国人留学生が増えている。

 イタリアからから来ているリリーさんも蘭州ラーメンの「とりこ」になった一人。「牛肉麺はイタリア人も大好き。ラーメンの技術を学んで、中国伝統の味をイタリアに持って帰りたい」と話している。

 蘭州ラーメンは、日本でも人気だ。六本木に店を構える蘭州ラーメン店の金味徳(ジンウェイトク)東京本店の指導に当たった梁順倹(Liang Shunjian)氏は、「店の前には、たくさんの人が並んでいる。日本人が牛肉麺を好きなのは意外だった」と話す。東京店で、3日間通ったという女性客二人は、並んでいた人が多すぎてスープが終わってしまい、3日とも食べることができなかった。その時のがっかりした、残念そうな表情を忘れられないという。

 梁氏は、蘭州牛肉麺文化技術交流大使も務め、日本やオーストラリア、カナダなどにも飲食文化の交流に訪れるという。何時間も店先に並ぶ人たちを目の当たりにし、「海外の人たちも中国の美味に『征服』されているようだ」と感じている。

 現在、海外に出店した蘭州ラーメン店は110軒以上に上り、ロシア、カナダ、シンガポールなど40以上の国・地域に定着しつつあるという。

 蘭州牛肉麺産業連合会の王幸軍(Wang Xingjun)会長は、蘭州市が徐々に国際化している現状について、「蘭州ラーメンは技術習得、設備製造、商品開発、原料生産加工が一体となった産業チェーンを形成している。蘭州ラーメンが海外進出するまたとないチャンスだ」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News