【4月20日 AFP】米国防総省は18日、防衛・航空大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)が今後、空軍との約10億ドル(約1070億円)の契約に基づき、戦闘機から発射できる極超音速ミサイルを設計・開発すると発表した。

 極超音速ミサイルは音速の何倍もの速度で飛翔し、ミサイル防衛システムをかいくぐることができる。同省高官らはこれまで、中国とロシアによる極超音速兵器開発が急速に進んでいると繰り返し警告してきた。

 同省は18日夜の声明で、ロッキード・マーチンは今後、最大9億2800万ドル(約998億円)を受け取り、新型の非核ミサイルを製造すると発表。この新兵器を「極超音速通常攻撃兵器」と称している。

 マイク・グリフィン(Mike Griffin)国防次官(研究・技術担当)は19日、中国は既に、数千キロ離れた地点を攻撃できる「かなり成熟した」極超音速ミサイルシステムを構築していると指摘。「現在の防衛システムでは、これらが向かって来ても検知できない」と警告した。

 極超音速兵器は飛行中に進路を変えられるように設計されており、従来のミサイルのように予測可能な円弧状の軌道を描かないために追跡や迎撃が非常に困難で、通常のミサイル防衛システムを突破する能力がある。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は2月、欧米諸国の防衛システムの影響を受けない新型の極超音速ミサイルを開発したと発表している。(c)AFP