【4月29日 AFP】ソフトウエアエンジニア志望のケビン・ユク(Kevin Yook)さんとベッキー・チェン(Becky Chen)さんは、背中を丸めてコンピューターの画面をのぞき込みながら、一般の人には判読できないソースコードについて熱心に話し合っている。

 20代の彼らは、米サンフランシスコのホルバートン・スクール(Holberton School)の学生だ。2年前に仏ソフトウエアエンジニアらが設立して以来、初めてのクラスがもうすぐ卒業を迎える。

 学校の目標は、シリコンバレー(Silicon Valley)のハイテク産業で高収入のコンピューターエンジニアングの職を得る上でのハンデをなくすこと。無記名の入学試験と無料の授業料がその手段になる。学生は就職後3年間、給料の17%を学校に支払う。

 コースは2年間で、初心者も学べる。創業者らは、学生にアップル(Apple)、リンクトイン(LinkedIn)、米航空宇宙局(NASA)のような企業へつながる道を提供すると説明している。時には最高の人材を逃がすまいとコースが終了する前に急いで学生を雇用する企業もあるという。

 創業者の一人、シルバイン・カラチェ(Sylvain Kalache)さん(29)は、「テック産業に従事する人は、私のように白人男性が多い」と指摘した。だが、18~56歳と幅広い年齢層が集まるホルバートンでは、200人以上いる学生の35%を女性が占める。

 米スタンフォード大学(Stanford University)やカリフォルニア工科大学(Caltech)などのコースとは異なり、学生の半数以上は人種的マイノリティーに属している。

 実際に学生の多くがインターンシップの7万ドル(約760万円)の給料や10万ドル(約1100万円)もする初任給に引かれて学びに来ているのは間違いない。

 ヨガインストラクターのリー・ゲインズ(Lee Gaines)さん(30)もその一人。同級生には元バーテンダーやアーティスト、レジ係がいる。