【4月19日 AFP】キューバ人民権力全国会議(国会)は18日、最高指導者であるラウル・カストロ(Raul Castro)国家評議会議長(86)の唯一の後継者候補として、ミゲル・ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)国家評議会第1副議長(57)を指名した。当局が発表した。

 同国国会は18日から19日までの日程で後継議長を選ぶための会議を開いており、ディアスカネル氏の選出は19日に確定する見通し。議長交代により約60年にわたるカストロ兄弟の統治に幕が閉じられ、キューバはポスト・カストロ時代を迎える。

 ディアスカネル氏が後継の議長となるとの観測はすでに昨年から広まっており、カストロ議長も個人的に同氏を後継に選んだことを表明していた。

 後継決定の投票は18日中に行われる可能性があるが、会議は非公開で行われており、正式な新議長の発表は19日となる見通し。

 キューバでは1959年の革命でフィデル・カストロ(Fidel Castro)氏が政権を掌握。2006年に病気を理由に弟のラウル氏に権限を移譲していた。

 ディアスカネル氏は、数十年かけてキューバ共産党内で地位を高め、2013年に国家評議会第1副議長となった。議長に就任すれば、革命後に生まれた最初の同国最高指導者となる。

 同氏は今後、ラウル氏が着手した経済改革を引き継ぐとともに、若く、変化を渇望する国民を受け継ぐことになる。

 穏健派とされることの多いディアスカネル氏だが、昨年公開された共産党員らとの私的な会合で撮影された映像では、キューバの反体制派と米国を激しく批判する演説を行い、極めて強硬な姿勢を見せている。(c)AFP