「ひげの歌姫」がHIV公表 C・ウルストさん、元恋人から脅迫受け
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【4月17日 AFP】2014年の欧州国別対抗歌謡祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト(Eurovision Song Contest)」にオーストリア代表として出場し優勝を果たした「ひげ面の女装歌手」ことコンチータ・ウルスト(Conchita Wurst)さんが、エイズウイルス(HIV)陽性であることを公表した。元交際相手の男性から脅迫を受け、公表を決意したという。
ウルストさんは15日夜、インスタグラム(Instagram)に、元交際相手の男性が「この個人情報を公表すると脅迫している」と投稿。「こんなふうに私をおびえさせ、私の人生に影響を与える権利など誰にも与えはしない」とつづった。この投稿には翌16日朝の時点で、2万6000件以上の「いいね」が寄せられた。
さらにウルストさんは、「他人に暴露されるよりも、カミングアウトする方がいい。人々に勇気を与え、HIV感染者に着せられる汚名と闘っていくため新たな一歩を踏み出したい」と表明。陽性診断を受けて以降、治療を受けており、ウイルス量は検出不能レベルに抑えられているため、他者に感染させる恐れはないとしている。
コンチータ・ウルストは、歌手でアーティストのトム・ノイビルト(Tom Neuwirth)さん(29)が生み出したドラァグクイーン(女装パフォーマー)としての芸名。2014年のユーロビジョンを「ライズ・ライク・ア・フェニックス(Rise Like a Phoenix)」という曲で優勝し一躍有名になったウルストさんは、以後その知名度を生かして同性愛者の権利擁護運動に取り組んできている。(c)AFP