【4月13日 AFP】密造酒による死亡事故が相次いでいるインドネシアで、犠牲者の数が100人に近づいていることが分かった。同国の警察当局は13日、見せしめとして密造酒の瓶およそ6000本を重機で破壊した。

 首都ジャカルタ郊外タンゲラン(Tangerang)の当局は約6000本の密造酒の瓶を屋外に並べ、黄色い蒸気ローラーで一気に踏みつぶした。また、近年最悪の一連の死亡事故を食い止めるため、密売人らを一斉検挙した。

 世界最多のイスラム教徒を抱える同国は2015年、観光地のバリ(Bali)を除き、ほとんどのコンビニエンスストアや小規模店舗での酒類販売を禁止した。

 多くのスーパーマーケットやバー、ホテルでは現在も購入可能だが、税率が高いためアルコール類は高額で、低賃金の労働者らは危険だが安価な自家製酒に手を出してしまうという。

 当局によると、先月末以降、違法な酒類を飲んで死亡した人の数は全国で少なくとも97人に上る。さらに約160人が入院中で、その多くが予断を許さない状況だという。

 警察によると、これまでに少なくとも17人が密造酒の販売および流通の容疑で逮捕、または指名手配された。(c)AFP