【4月11日 AFP】ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は、同国出身の映画監督が母国は「人種差別的」と評したことについて、「間違いない」と認めながらも、問題根絶に向けて努力していることを誇りに思うと述べた。

 映画『マイティ・ソー バトルロイヤル(Thor Ragnarok)』の監督を務めた、先住民マオリ(Maori)出身のタイカ・ワイティティ(Taika Waititi)氏は先週、英ファッション誌「デイズド・アンド・コンフューズド(Dazed & Confused)」でのインタビューで自身が経験した差別について説明。

 ワイティティ氏は「ニュージーランドは地球上で一番すばらしい所だが、人種差別の国でもあると思う」と指摘。「人々はマオリの名前をちゃんと発音することをきっぱりと拒否する。ポリネシア人に対してはまだ差別がある」とし、若い頃はマオリ出身という理由でシンナー遊びの疑いをかけられていたと語った。

 同氏の発言は国内で議論を呼び、多数がワイティティ氏を支持する一方、同氏が問題を誇張しており、他国ではもっとひどいとの声も上がっていた。

 この議論に関して、アーダーン首相はテレビ局TV3の番組で「ニュージーランドも人種差別が存在する国家の1つかどうか?間違いなく。ほとんどの国に差別はあるか?間違いなく。状況を改善できるか?できる」と述べ、「改善するために私たちが日々努力していることを本当に誇りに思っている」と付け加えた。(c)AFP