世界の河川脅かす医薬品廃棄物、国際研究
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■中南米、アフリカ、アジアなどで高汚染レベルか
ブレゴリ氏と研究チームは、人口密度、下水施設、医薬品販売量などの基準に基づき、現在と未来における医薬品汚染の水準を予測するためのコンピューターモデルを開発した。
汚染の水準については、中南米、アフリカ、アジアなどの大半で相当に高いレベルにあることが考えられる。これらの地域では、処理を施される汚水の割合は平均で全体の4分の1に満たず、処理される場合でも、用いられるフィルター技術では大半の薬剤を除去できない。
だが、ブレゴリ氏は、技術だけで問題が解決するわけではないとしながら、「薬剤の消費量を大幅に削減する必要がある」とAFPの取材に語った。同氏は今回の結果をまとめた論文を発表する準備を進めている。
2017年12月、国連環境計画(UNEP)は調査報告書を発表し、抗生物質や化学物質の廃棄物が薬剤耐性菌の進化を後押ししていることを警告した。
報告書では、人と家畜が消費する抗生物質全体の70~80%、合計で数千トンが自然環境に流出すると指摘している。(c)AFP/Marlowe HOOD