【4月11日 AFP】米国中西部で殺鼠剤を用いた合成マリフアナによる中毒者が増加している。これまでに3人が死亡、入院した人は100人を超えており、当局は中毒者がさらに増加する恐れがあると懸念している。

 乾燥植物に化学物質を添加した合成マリフアナは、「スパイス(Spice)」や「K2」などの名称で少量がパック入りで売られている。液体の合成マリフアナもある。

 問題の合成マリフアナは殺鼠剤に用いられる致死性の抗凝血剤、ブロディファコウム(brodifacoum)を材料としたもの。この合成マリフアナによる死者が出た米中西部3州の当局は注意を呼び掛けている。

 これらの一部はイリノイ州シカゴで販売されたことがわかっている。同州では9日、合成マリフアナとの関連で3人目の死者が報告された。ほかにも100人以上が喀血(かっけつ)や内出血などの重篤症状で入院中だという。

 イリノイ州の北に隣接するウィスコンシン州と東に隣接するインディアナ州でも体調を崩した人が出ている。

 イリノイ州公衆衛生局のニラブ・シャー(Nirav Shah)局長は声明で「合成マリフアナ中毒の症例は日を追うごとに増加している」と警告。合成マリフアナは規制対象となっていないため含まれている化学物質が不明で、殺鼠剤を使用したものもあり、危険だと注意を促した。(c)AFP