無法地帯、レイプや民族間抗争で数百万人が避難 コンゴ民主共和国
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■搾取への報復か
同国東南部のタンガニーカ(Tanganyika)州では、ピグミー(Pygmy)族とバントゥー(Bantu)系民族ルバ(Luba)族の衝突もまた数千人規模の避難をもたらしている。トゥワ(Twa)族系のピグミー(Pygmy)族は、彼らを二級市民とみなすバントゥー系民族としばしば紛争になっている。
民族間の緊張は、コンゴが1960年にベルギーからの独立を獲得する前にさかのぼる。土地を所有するバントゥー系民族は、狩猟採集民を搾取して農作業にわずかな賃金しか払わなかったり、酒や煙草を与えるだけで済ませたりしていると非難されていた。
一方のバントゥー族は、村全体の焼き討ちや妊娠した女性の虐殺、住民が矢で射られて殺害されるなど、残忍な攻撃を受けてきた。
援助活動家らによると、2016~17年には暴力行為の急増で、最高65万人が避難を余儀なくされた。今日では、約6万7000人のバントゥー系民族が、カタンガ(Katanga)州の州都カレミエ(Kalemie)周辺にある12の避難民キャンプに住んでいる。
タンガニーカ州のリチャード・ンゴイ・キタンガラ(Richard Ngoy Kitangala)州知事は「この2月、われわれは大規模な会議を組織し、ピグミー族の首長らを招いた。和解を行ったのだ」と語った。しかし、これに対し、カレミエから40キロ離れた村から避難してきた男性ピエロさんは「それは違う、和解はない」と異議を唱えた。「ピグミー族は今も人々を脅かし、殺害している…平和が続いているなら、われわれは家に戻るだろう」(c)AFP/Samir TOUNSI