■ストに感謝?

 スト当日、会社に出勤することをあきらめ、ノート型パソコンとインターネットを使って自宅で仕事をすることを選ぶ人たちもいた。1968、86年、95年の大規模ストライキのときには想像できなかった手段だ。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領率いる中道政権は、こうした仕事の仕方を推奨しており、昨年には従業員が会社に対してオフィス以外の場所で働きたいと申し出る権利を認める新たな労働法案を可決している。仏国内の複数の都市でシェアワークスペースを提供しているスタートアップ各社は、この機会を利用して従業員や企業に自社のサービスを売り込んだ。

 マクロン大統領が率いる政党・共和国前進(REM)の一部議員らは、企業経営者に対し、ストライキの「明るい側面」を見るよう呼び掛けている。下院議員のジャンルネ・カズヌーブ(Jean-Rene Cazeneuve)氏はツイッター(Twitter)に、「SNCFでストライキが起きるたびに遠隔勤務や電話・テレビ会議、コワーク(仕事場の共有)など、少しずつだがわれわれのワークライフをいっそううまくオーガナイズできる新たな仕事様式が開発されてきた。私たちはむしろ感謝の言葉を口にすべきだ」と投稿した。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT