■タイガーは「脅威の存在」

 デイはまた、ウッズが10年もメジャータイトルから遠ざかっていることで、同選手がメジャー通算勝利数で歴代1位のジャック・ニクラス(Jack Nicklaus)氏にあと4勝まで迫っていることや、ツアー通算勝利数でも歴代1位のサム・スニード(Sam Snead、米国)氏にあと3勝に迫る79勝を挙げていることを周囲は忘れていると主張した。

「故障してしばらく戦列を離れていたことで、彼がキャリアで成し遂げてきたことを周囲はあっという間に忘れてしまった。それが人生というものだ。現代では時間が過ぎるのが速い。誰もがその瞬間の満足を求めている。こうして彼が復帰して往年のプレーを取り戻している様子をみて、みんなが昔の雰囲気を味わいつつある。彼がどこまでできるか楽しみだ」

 米ラスベガスのブックメーカーでは、ウッズをはじめ、スピース、マキロイ、トーマス、そしてジョンソンが優勝候補の筆頭に名を連ねており、ローズ、バッバ・ワトソン(Bubba Watson、米国)、フィル・ミケルソン(Phil Mickelson、米国)が僅差で続いている。

 マスターズで通算2勝を誇るワトソンは「われわれ全員が優勝候補だ。絶好調で十分に優勝を狙える」と強調した。

 しかし、ウッズは脊椎にメスを入れた体にもかかわらずティーショットで飛距離を伸ばしており、ベテラン勢のなかでも侮れない存在感を発揮している。通算3度のマスターズ制覇を誇るニック・ファルド(Nick Faldo、イングランド)は、「彼は脅威の存在だ。優勝の可能性を持っているし、プレーも絶好調だ。彼は予想以上に調子を上げている」という認識を示し、「腰の手術を受けて、40代という年齢でクラブのヘッドスピードが時速5マイル(約8キロメートル)以上も上げられるなんて信じられない」と驚いていた。

 マスターズ通算2勝を誇る60歳のベルンハルト・ランガー(Bernhard Langer、ドイツ)も、ウッズの復帰は今大会最高の話題の一つだとしており、「あらゆる世代の偉大な王者が集まった。全員に優勝のチャンスがある。大会に向けて素晴らしいことだ」と話した。

 一方、メジャーでは通算73大会でタイトル獲得を逃し、昨年のマスターズで悲願のメジャー初制覇を果たしたセルヒオ・ガルシア(Sergio Garcia、スペイン)は、ウッズ、ファルド、ニクラス氏の3人しか成し遂げていないマスターズ連覇を目指している。(c)AFP/Jim SLATER