【4月2日 AFP】インドとパキスタンが領有権を争うカシミール(Kashmir)地方で、今年に入ってからは最悪の規模となる衝突が発生し、20人が死亡した。インドの警察当局が1日に明らかにした。当局はさらなる事態の悪化に対する備えを進めている。

 今回の戦闘は、同地方の主要都市スリナガル(Srinagar)の南方で数回にわたり発生。インド軍兵士3人と戦闘員とみられる13人が衝突により死亡した。

 さらにインドの統治に反発し、路上で投石したりスローガンを連呼したりしてデモを繰り広げた数千人の地元住民らに対し、警察が発砲。4人が死亡し、数十人が負傷した。

 スリナガル市内でもデモが行われ、2日には反政府勢力が抗議活動を呼び掛ける一方、政府はすべての学校を閉鎖するよう求めた。

 カシミール地方は、英国の植民地支配が終幕を迎えた1947年以降、地域全土の領有権を主張するインドとパキスタンが分割支配している。

 インド国内で唯一イスラム教徒が大多数を占めるジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州では、独立もしくはパキスタンとの統合を望む反政府勢力が住民たちの支持を集めている。また、これまでの紛争で数万人規模の死者が出ており、犠牲者の大多数が民間人だとされている。(c)AFP