【3月30日 AFP】ラグビーイングランド代表として将来を有望視されていたサム・ジョーンズ(Sam Jones)が、代表チームのトレーニングの一環として行った柔道のさなかにしたけがが原因で、現役引退に追い込まれた。

 現在26歳のジョーンズは、2016年11月のテストマッチに向けてイングランド代表のエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)に初めて招集された。しかし、チームメートのマロ・イトジェ(Maro Itoje)と柔道の練習をしていた際に、足の骨折に加えて足首を脱臼する恐ろしい事故に遭遇。何度も手術を重ねたものの、内側靱帯(じんたい)と足首の軟骨の損傷は治らず、引退を勧告されたという。

 ジョーンズは「残念ながらけがは複雑なもので、リハビリは思うように進まず何度も挫折を経験した。従って不本意ながら、医師のアドバイスに耳を傾けてラグビーから引退せざるを得なくなった。この結論はとてもつらいものだった。しかし、この結論は自分にとって最善のことであると理解している」と語った。

 イングランド代表としてU-16からA代表のイングランド・サクソンズ(England Saxons)まで着実に経験を積んできたジョーンズは、2010年に加入した同国プレミアシップのロンドン・ワスプス(London Wasps)でもチーム一筋で合計118試合に出場した。

 ワスプスのダイ・ヤング(Dai Young)HCはジョーンズについて、イングランドで息の長い選手として活躍することを信じていたとして、「ひどいニュースだ。16年間の指揮官人生で、選手がけがで引退するのはこれが初めてではないが、サムの置かれた状況には打ちのめされている」「彼はワスプスのレジェンドとなり、主将としての活躍も認められ、イングランド代表としてもたくさんの試合でチームをけん引していけると確信していた」と述べた。

 若くしてキャリアを終えることになり、その埋め合わせをする保険金の支給内容についてこの2か月間で合意に達したとされているジョーンズは、「クラブでの状態を理由にイングランド代表に選出されたことは、自分にとって大きな成果となった。ラグビーへの自分の最後の貢献が代表選出だったことを誇りに思う」と語った。(c)AFP