【3月30日 AFP】フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)元大統領(63)が2014年に判事から捜査情報を入手しようとした疑惑をめぐり、汚職と職権乱用の罪で予審判事が公判を請求したことが分かった。司法筋が29日、AFPに明らかにした。

 同筋によると、サルコジ元大統領の弁護士のティエリ・エルゾグ(Thierry Herzog)氏と元判事のジルベール・アジベール(Gilbert Azibert)氏に対する公判も請求された。

 公判開始が確定すれば、2012年に再選を目指しながら敗北した大統領選での違法な選挙資金を受け取っていたとの疑惑をめぐる公判に続き、サルコジ氏が直面する2つ目の裁判となる。ただ、サルコジ氏はこの決定への不服を申し立てる見通しだ。

 サルコジ氏に対してはさらに、リビアの独裁者、故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐から違法な資金援助を受けたとの汚職疑惑をめぐる捜査も行われている。

 職権乱用疑惑の焦点となっているのは、サルコジ氏が化粧品大手ロレアル(L’Oreal)創業者の娘、故リリアン・ベタンクール(Liliane Bettencourt)氏から不正に現金を受け取っていた疑惑をめぐる捜査の一環で盗聴された、エルゾグ氏とアジベール元判事の間の会話だ。

 この会話の中でサルコジ氏側は、破棄院裁判官だったアジベール氏に対し、捜査に関する情報提供の見返りに、モナコでの要職をあっせんできる可能性を示唆したとされる。サルコジ氏はこの会話の翌年に当たる2013年、ベタンクール氏をめぐる疑惑で不起訴となった。(c)AFP