【3月29日 AFP】ドイツ北部ハノーバー(Hanover)で28日、第1次世界大戦(World War I)時の将軍の名が付けられた兵舎からその名を外し、新たにアフガニスタンで戦死した同国兵士の名を入れたことを記念する改名式典が行われた。ドイツでは軍国主義的な過去を清算する動きが広がっている。

 式典はウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)国防相が取り仕切って行われた。これまで兵舎は第1次大戦のベルギー侵攻に関与したドイツ帝国時代のオットー・フォン・エミッヒ(Otto von Emmich)将軍と、同大戦でドイツと英国が初の大規模戦車戦を繰り広げたフランス北部カンブレ(Cambrai)の名を組み合わせたエミッヒ・カンブレという名前だった。

 しかし、2001年後半から始まったアフガニスタン派兵で戦死したドイツ兵57人のうちの1人、トビアス・ラーゲンシュタイン(Tobias Lagenstein)氏(享年31)の栄誉を称えようと、兵士らが改名を求める運動を開始した。

 ラーゲンシュタイン氏は同兵舎で憲兵としての訓練を受け、2011年にアフガンの旧支配勢力タリバン(Taliban)の攻撃により31歳で絶命。ドイツ連邦軍の戦死者として初めて、その名を兵舎に付けられた。

 同兵舎では2012年にも改名の動きがあったものの頓挫。しかし、極右とつながりのあった兵士による襲撃計画疑惑をめぐるスキャンダルが昨年浮上し、再び改名の機運が高まった。

 ドイツでは現在、ナチス・ドイツ(Nazi)時代の国防軍とつながりのある名前が付けられた兵舎およそ20か所が調査を受けているという。(c)AFP