【3月27日 AFP】バングラデシュ当局は27日、同国の治安部隊がここ3か月足らずでメタンフェタミン(結晶状覚せい剤)900万錠近くを押収したと明らかにした。当局によると、隣国ミャンマーから大量に流入してきたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が密輸の急増をもたらしているという。

 バングラデシュの若者に需要があり、タイ語で「頭がおかしくなる薬」という意味の「ヤバ」と呼ばれるメタンフェタミンは、当局がミャンマーとの国境を流れるナフ(Naf)川で漁船への強制捜査を増加させたところ、大量に押収された。

 国境近くの町テクナフ(Teknaf)では、国境警備隊がメタンフェタミンおよそ516万錠を、沿岸警備隊は今年に入って347万錠を押収。

 国境警備隊の司令官はAFPに対し、「3月15日に実施した1度の強制捜査で、4つの袋に入って捨てられていたヤバ180万錠を押収した。国境警備隊の押収量としては最大となる」と説明。また3月に入って、ロヒンギャ7人を含む密輸業者11人を国境警備隊が逮捕したと述べた。

 さらにベンガル湾(Bay of Bengal)に展開する沿岸警備隊は今月、漁船1隻から30万錠を押収し、ミャンマー人6人を逮捕したと、同警備隊の幹部が明らかにしている。

 メタンフェタミンは、昨年8月にミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で軍が掃討作戦を実施して以降、大量に越境してきたロヒンギャにとって安易な収入源となっているという。(c)AFP