【3月26日 AFP】昨年立て続けに発生した大規模な森林火災で壊滅的な被害を受けたポルトガル最古の森林で25日、ボランティア約3000人による大掛かりな森林再生プロジェクトが始まった。

 昨年10月の相次ぐ火災でほぼ全体が灰の山と化した同国中部レイリア(Leiria)県の森林には、約6万7500本の松の木が植えられた。

 約800年前に生まれた同森林の一部が広がるマリニャグランデ(Marinha Grande)のシダリア・フェレイラ(Cidalia Ferreira)市長は、「あれらの火災でレイリアの松林の80%が失われました。私たちには大仕事が待っています。森林再生には、約2200万本の木々を植える必要がありますから」と語った。

 政府主導のこの取り組みでは、軍や警察、消防などがボランティアへの支援を行った。

 ボランティアに参加したある男性は、AFPの取材に対し、「この松林が私たちの再生によって美しさを取り戻せば、将来、子どもたちが新鮮な空気を吸うことができるでしょう。そのことが、私にやる気を起こさせてくれます」と語った。

 この森林は13世紀にまでさかのぼり、そこにはえる松の木は15~17世紀、ポルトガル人探検家らに造船資材として使われた。

 ポルトガル中部一帯を荒廃させた昨年10月の一連の森林火災では、49人が犠牲となった。(c)AFP