【3月24日 AFP】元陸上男子短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt)氏が23日、ドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)の練習に参加した。

 ボルト氏はトップクラスの選手になるという自身の夢について、「高いレベルでプレーするプロの選手を本気で目指している。目標はトップチームに入り、世界のトップリーグでプレーすることだ」と真剣に語った。

 五輪で合計8個の金メダルを獲得したボルト氏は、約200人の報道陣や1500人のファンに見守られながら、ドルトムントのトップチームで自身の実力を試した。すでに22日には非公開で同クラブの練習に参加しており、この日は双方のスポンサーである独スポーツ用品大手プーマ(Puma)のプロモーションとして公開セッションに臨んだ。

 現在31歳のボルト氏は、通常ならサッカー選手がスパイクを脱ぐ年齢で新たなキャリアを開始することについて大真面目に考えていると強調。昨年陸上競技から引退し、サッカーをする上で必要な持久力が足りないことも自覚しており、「全体的には10点中7点だ。楽しかったよ。選手たちは最高だったし、歓迎してくれた。だけど、自分には体力が足りない。ウイングでプレーしたいと思っている。今はその持久力がないから、ストライカーとして前に張ろうとした」と語った。

 100メートルと200メートルの世界記録保持者として、ボルト氏は期待通りに芝の上で圧巻のスピードを披露。試合形式の練習ではヘディングシュートを決める場面もあったが、まだ学ぶべきことはたくさんあることを実感していた様子だった。

 ヘディングシュートを決めたことについてボルト氏は、額に汗を流しながら「自分は背が高いから、ずっと前から練習していたことの一つだった」と明かしている。

 ボルト氏の実力に関して、ドルトムントのペーター・シュテーガー(Peter Stoeger)監督は、「彼には才能はあるが、トップレベルでプレーしたいなら、いくつか課題は残されている」と現実的な評価を下した。

 しかしながら、ボルト氏は下部リーグでプレーする気は毛頭ないと意志を明確にしており、同国3部に位置するドルトムントのリザーブチームで経験を積むという提案に対して、「下部リーグでプレーすることは望んでいない。自分はトップリーグでプレーしたいから、ここにいるんだ」とすると、「このチームでもっと練習し、自分のスキルや実力を磨いて、トップリーグでプレーできるようにしたい」と続けた。(c)AFP/Christophe BEAUDUFE