【3月24日 AFP】フランス南部で23日に起きた銃撃・立てこもり事件で、自ら人質女性の身代わりになった警察官が、犯人に撃たれて重体となっていることが分かった。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領はテレビ放送された声明で「彼は人命を救い、同僚と祖国を守った」と述べ、警官が深い傷を負い「生死の境をさまよっている」ことを明らかにした。

 事件では、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓っていたとされる男(26)がカルカソンヌ(Carcassonne)で車を銃撃して搭乗者1人を殺害。さらに警官1人を負傷させた後、トレブ(Trebes)にあるスーパー「シュペルU(Super U)」に押し入り、買い物客や店員に発砲して2人を殺害し、人質を取って店内に立てこもった。

 現場で記者会見したジェラール・コロン(Gerard Collomb)内相によると、立てこもりは午前11時ごろに始まり、直後に警官隊が現場に到着。店内にいた人々の一部を救出したが、女性1人が人質に取られた。

 そこで、警察官のアルノー・ベルトラム(Arnaud Beltrame)氏(45)が女性との交換を志願し、交渉が行われる間、男の人質となった。

 コロン内相によると、ベルトラム氏はテーブルの上に携帯電話を置き、建物を包囲していた警官隊に中の状況が聞こえるようにしていた。その後、銃声が聞こえたことから、国家憲兵隊治安介入部隊(GIGN)が建物内に突入したという。コロン内相はベルトラム氏の「勇気」と「英雄的行為」を称賛した。(c)AFP