【3月22日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)が刻々と近づく中、まだ足の骨折からの復帰を果たせていないドイツ代表の守護神マヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)。チームは連覇のかかる本大会には間に合うはずだと楽観的な姿勢を見せる一方、試合勘の欠如が問題になることは認めている。

 ドイツ代表は23日にデュッセルドルフ(Duesseldorf)でスペインと、27日にベルリンでブラジルと対戦し、強豪同士の親善試合2試合をこなすが、今回も主将で正守護神のノイアーがピッチに立つことはない。

 31歳のノイアーが不在の間、ドイツ代表の背番号1は、FCバルセロナ(FC Barcelona)のマルクアンドレ・テル・シュテーゲン(Marc-Andre ter Stegen)、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)のケヴィン・トラップ(Kevin Trapp)、バイヤー・レバークーゼン(Bayer Leverkusen)のベルント・レノ(Bernd Leno)が争っている。

 ノイアーは2017年9月、前にも折ったことのある箇所の骨を再び折り、以降は戦列を離れている。所属するバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)は復帰時期を明言していないが、ドイツ代表は本大会の登録メンバーを5月15日に発表する予定で、カウントダウンはすでに始まっている。

 代表のチームマネジャーを務めるオリバー・ビアホフ(Oliver Bierhoff)氏は、「われわれの側にプレッシャーはない。決めるのは本人と医師たちだ。もちろん、発表までに100パーセントの状態になってくれていることを願っている」と話した。

 2016年まで4年連続で世界最優秀GKに選ばれたノイアーは、2016年10月から代表でプレーしていないが、6月17日のチーム初戦、メキシコ戦には間に合うことをチームは切望している。しかし半年という離脱期間の長さと、実戦感覚の欠如がドイツのサッカーファンを不安にさせている。

 トーマス・ミュラー(Thomas Mueller)はその不安を理解しつつ、本番までには仕上げてくるはずだとクラブと代表で同僚のノイアーを擁護している。

「他のみんなよりは少しだけよくマヌに会うけど、いつもすべて順調だという印象を受ける。医療の専門家じゃないから詳しいことはわからないけど、うまくいってないことをうかがわせる話は何も聞いていない」

「必要な時間をかけるだけだし、僕の知る限り、マヌは外していい選手じゃない。間に合うかの議論が出てくるのはわかるけど、彼ならなんとかしてくれると思う」

 前回のW杯でも、ノイアーはW杯の前に肩を負傷して準備で後れを取った。しかしビアホフ氏は、今回の長期離脱はノイアーにとっても未知の領域だと話している。

「けがが問題になるとは思わない。足への負荷も徐々に上げてくるだろう。2014年と違うのは試合勘だ。しかしワールドクラスのGKなら、強度の高い練習を通じて、割合に早くリズムを取り戻してくれると思っている」

 スペイン戦とブラジル戦は、ドイツにとって本大会前の最後の国際親善試合となる。ただし大会直前の6月2日と8日には、オーストラリアとサウジアラビアとの練習試合を行う予定になっている。(c)AFP