■てんかん発作を感知

 1998年にてんかんの診断を受け、運転免許証を取り消され、仕事を失い、サッカー観戦に行くこともあきらめなければならなかったリン・ラドクリフ(Lynn Radcliffe)さんは、「一人で出かけるのは本当に危険だったのです。道を渡るだけでも危険だった。何の前触れもなく発作を起こす可能性があるので、いつも誰か一緒でないとだめだった」と話した。

 だが、障害者支援団体「サポートドッグス(Support Dogs)」で訓練されたラブラドールの「シンバ(Simba)」がやって来ると、ラドクリフさんの生活は一変した。

「てんかんには非常にかすかな兆候があり、人間には分からないが、犬にはそれを捉える能力がある」「発作が起こる50分から15分前に、それを人に警告することができるのです」とサポートドッグスの代表、リタ・ハウソン(Rita Howson)さんは語った。

 発作自体を防ぐことはできなくても、補助犬が吠えることで本人や周りの人たちは発作に備えることができる。「家の中での生活でも前より安心できる」とラドクリフさんは話している。(c)AFP/Antoine POLLEZ