【3月17日 東方新報】「販促イベントに参加すると食品などのプレゼントもらえるといったうたい文句で、たくさんの高齢者が集まる。そして高齢者の親心をくすぐり、病気が完治すると鼓舞され、あげくに報奨金がもらえるなどといった手口で、高齢者はだまされて買ってしまう」──。

 中国・重慶市(Chongqing)に住む鄭正一さん(70)が昨年1月、偽のサプリメント(栄養補助食品)販売会に「潜入」したときに記した約5万字の日記が、中国でメディアの注目を集めている。

 鄭さんは、最近もまた別のサプリ食品の販売セミナーに潜入した。

 鄭さんは取材に対し、「どんなに報道されても、こういった客をだまして偽物を売りつける連中はいる。重慶では近頃、このようなセミナーが非常に多い。セミナー講師は北京(Beijing)からやって来た専門家だというが、高齢者たちは一体どこでそれを調べられる? 公安局や工商局にはこうした問題を一つ一つ調査してほしい」と話した。

■「お父様」「おじい様」と叫ぶ販売員

(記者、以下同:なぜ「潜入」して日記に記そうと思ったのか)
(鄭さん)高齢者がこのような詐欺にだまされてほしくないと思ったからだ。私の周りでもたくさんの高齢者が、偽のサプリをだまされて購入している。後で後悔したくないので潜入を決意した。

(初めて潜入した時の状況は)
(鄭さん)昨年1月7日、初めてサプリのセミナー会場に潜入した。小さい会場だが約30人が参加し、参加者はプレゼントとして卵や麺などを受け取っていた。

 2時間もすると、数人が商品を購入していた。「この商品の本来の価格は約1000元(約1万6000円)なんですが、今購入すると200元(約3000円)のキャッシュバックがありますよ。さらに各種報奨金もありますよ」などと言っていたが、私は絶対「洗脳」されない、だまされるものかと確固たる気持ちだった。

(今まで、どれぐらいの数のセミナーに参加したのか)
(鄭さん)100回は参加した。セミナー参加の通知がしょっちゅう届く。中には、1回のセミナーが7日間続くようなものもある。