【3月16日 AFP】国連(UN)のシリアに関する独立国際調査委員会(COI)は15日、シリア政府軍と政府側の民兵組織が民間人に対し、レイプなどの性暴力を組織的に行使しており、こうした残虐行為は人道に対する罪に相当すると非難した。

 COIによると、反体制派側も戦争犯罪に相当する同様の暴力を振るっているが、「政府軍やそれに連なる民兵組織によるレイプと比べれば、ほとんどないといっていい」頻度だという。

 国連人権理事会(UN Human Rights Council)に提出されたこの報告書は、シリア政府がCOI調査官の入国を認めていないため、生存者や目撃者、医療関係者ら454人の聞き取り調査に基づいてまとめられた。

 シリア第3の都市ホムス(Homs)出身のある女性がCOIの調査官に語ったところによると、2012年に政府軍が自宅に押し入り、自分と夫の目の前で娘がレイプされ、さらに娘と夫は射殺された。その後、女性も兵士2人にレイプされたという。これも数多く行われている極度の暴力のほんの一例にすぎない。

 こうした性的暴行の現場となっているのは主に、政府軍と政府側民兵が支配する検問所や収容所だ。

 COIによると、調査対象となった2011年から2017年末までの期間に、政府軍は「数千人の女性と少女」を拘束した。報告書には「女性や少女たちは尋問の際、…天井からつるされて鉄パイプでたたかれたり、両胸や膣に電気を流されたりした」と記されている。

 また、最もレイプの標的とされやすいのは女性だが、男性や子ども(女児も男児も)も標的とされているという。(c)AFP