■対応迫られる航空会社

 米航空業界のガイドラインでは、障害のある乗客がESAを機内に持ち込む権利を認めているが、風変わりなペットや「普通でない」ペットの持ち込みは航空会社側が拒否することもできるとしている。

 今回のユナイテッドで死んだ犬はESAとしては申請されていなかったが、機内にペットを持ち込もうとする乗客が急増し、それへの対応を迫られている航空会社のつばぜり合いを再び浮き彫りにした。

 国際航空運送協会(IATA)の広報担当者は、子犬が死んだ件について「悲しく遺憾」な出来事だと述べ、さらに「業界として、動物が空の旅をする際にその安全を確保し、世界中で最高水準の対応を保証する義務がわれわれにはある」と語った。

 だが、乗客側の判断に注意を呼び掛ける向きもある。米動物愛護団体「全米人道協会(Humane Society of the United StatesHSUS)」は同団体のウェブサイトで、飛行機による動物の移動、特にブルドッグなど「顔が短い」動物は酸欠や熱中症になりやすく危険だと警告し、ペットを連れて旅行しなければならない場合は「飛行機以外の選択肢をすべて検討すべきだ」と述べている。(c)AFP/Maggy DONALDSON and Antoine BOYER