【3月12日 AFP】11日に行われたサッカーのギリシャスーパーリーグ(1部)、PAOK FC対AEKアテネ(AEK Athens)の首位攻防戦で、ゴールを取り消された判定を不服としたPAOKの会長が拳銃を所持してピッチに乱入し、試合が中止になった。

 AEKアテネ側はPAOKのイバン・サビディス(Ivan Savvidis)会長が腰に銃を携帯してピッチに乱入し、ギオルゴス・コミノス(Giorgos Kominos)主審を脅迫したと主張。報道によると、 コミノス主審はPAOKのテクニカルディレクター、リュボス・ミヘル(Lubos Michel)氏から「お前は終わった」と告げられたとしている。

 両チーム無得点で迎えた試合終盤、PAOKはフェルナンド・バレラ(Fernando Varela)のゴールがオフサイドで取り消されると、チームはこの判定に抗議。サビディス会長は主審の判定に抗議を示すため選手にピッチを去るよう要求したが、主将のビエリーニャ(Adelino Andre Vieira Freitas 'Vieirinha’)はこれを拒んだ。

 コミノス主審はその後、判定を覆してPAOKの得点を認めると、試合を成立させるため、ロッカールームに下がったAEKアテネの選手にピッチに戻るよう説得したが、チームは安全に懸念があるとしてこれを拒否した。AEKアテネ側は、サビディス会長がチームのディレクターを務めるバシリス・ディミトリアディス(Vasilis Dimitriadis)氏にも攻撃を加えたと訴えている。

 コミノス主審はマッチレポートを提出し、ギリシャサッカー協会(HFF)はこれを見てチーム、個人への処分を決定する見通しとなっている。もしPAOKが1-0で勝利したという結果になれば、PAOKはAEKアテネから首位の座を奪うことになる。

 HFFは同日、2月25日の試合前にファンがものを投げ込んでオリンピアコス(Olympiacos)のオスカル・ガルシア(Oscar Garcia)監督を負傷させたとしてPAOKに科されていた処分を一部撤回していた。オリンピアコスの3-0の勝利扱いは変わらなかったものの、勝ち点3のはく奪と2試合のホーム無観客試合の処分は取り消された。この裁定でPAOKは勝ち点を52に戻し、首位AEKアテネにわずか2ポイント差の2位に浮上していた。(c)AFP